天上鬼

関西ぺんでるとん・作



「彼方から」の主人公、イザ―クは、何の因果か、世界を左右するほどのおそるべき力を持った「天上鬼」と呼ばれる存在である。
しかし、その真の力を解放するためには、「目覚め」と呼ばれる存在が不可欠とされる。
その「目覚め」こそが、もう一人の主人公、ノリコなのだ。
ノリコは、謎の力によって、異次元へのふすまを開かれ、我々の世界から異世界へと召還されてしまったのである。
一方、その異世界では、世界の支配をもくろも野心家ラチェフが、天上鬼と目覚めであるイザ―クとノリコを追う。二人は、反ラチェフとして戦う人々とともに、ラチェフの追っ手から逃げ続ける。
しかし、ついに、絶体絶命のピンチが!!

「おやおや、こーなったら、イザ―クや、あんたの天上鬼としての力を借りるしかないねえ」
「し……しかし、それは…」
ノリコの方をちらりと伺うイザ―ク。
なぜか、頬をあからめるノリコ。
「何を躊躇してるんだい! ほら、早くしないと、追っ手はもうすぐそこだよ!」
「しかし……」
「早くおし!!」
「イザ―ク、わたしなら……いいよ」
「ノリコ……」
「グヒヒヒ。おいつめたぞ、イザ―ク。この天才のケイモスさまから逃げられると思ったのか? ん〜〜?」
Chu- 「イザ―ク!ノリコ!!」
「イザ―ク、早くこっちを向いて!」
「う、……わかった」
「あの…とどかないから、少し、下を向いて……」
「あ、ああ」
「クケケケケケ!死ね〜イザ〜ク〜〜!!」
「急ぐんだよ!ノリコ!」
迫り来る恐るべき敵、天才ケイモス。
ノリコは、イザ―クの顔に両手を添えて口早に呪文を唱える。
「パンプルピンプルパムポップン!!天上鬼よ目覚めよ!!」

……Chu♪

頬を真っ赤に染めながら、イザ―クにそっと口づけをするノリコ。
すると、イザ―クの姿が徐々に変わり始める。
そしてイザ―クが声高に叫ぶ!!

「はーるーの、目覚め〜〜〜!!」

「おお!天上鬼が目覚めた!!」
「く…あれが、目覚めのキスと言うやつか……」
「うおおおおおお!!天上鬼イザ―ク……ここに見参!!」
「ふふふ。貴様が噂の天上鬼か。しかし、この天才ケイモスに勝てるかな?」
「悪党に名乗る名前はない!!」
胸をはるイザ―ク。
「だめよイザ―ク!あなた、もう、とっくに名乗ってるわ!!」
つっこむノリコ。
「往生せいや〜〜!!」
2001/10/02

▼あとがきのようなもの

この作品は関西ぺんでるとんさんが、「らくがき掲示板」に mori が描いた、変身途中のイザークのイラストを見て「天上鬼」の解説として書き込んでくださったものです。
ツボにはまったので、ファンページへ掲載していましたが
ファンページの閉鎖に伴い、こちらに転載しました。(笑

mori
無断転載や改変はご遠慮下さい。


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